材料の搬入と工場の棟梁。

2026年3月2日

工場で始まる家づくり|壁パネル製作と棟梁の時間

みなさん、こんにちは!
最近は日差しのあたたかさに、少しずつ春が近づいているのを感じますね。

さて、先日の朝のことです。
会社に着くと、駐車場には荷台が翼のように左右へ大きく開くタイプのトラックが停まっていました。
材料がぎっしりと積まれていて、家づくりのスタートを告げる、少し特別な朝でした。

荷台が開くときの金属音…そこから見える整然とした木材の並び…
これから壁パネルが工場(こうば)で形になっていくことを想像して、わくわくした気持ちが広がりました。

搬入の様子は実際に目の前で見ると迫力があり、朝の静けさの中でひときわ存在感を放っていました。

そして材料が運び込まれると棟梁がすっと近づいていき、いつものように木材のチェックを始めました。
その動きはあまりに自然で、初めて見る人なら見過ごしてしまうほど。
でも実は、棟梁は毎回、反りやねじれ、木目の状態を一瞬で見分けているんです。

[目利きの棟梁]

「面(ツラ)見りゃ良いか悪いかわかるだんべ」

そう言いながら、木材を手に取り、光の角度を変えながら確認する姿はまさに職人の目利き。
長年の経験からくる“肥えた目”で、家の骨組みになる材料をしっかり選び抜いているのだと改めて感じる一幕でした。

工場(こうば)で始まる壁パネルの製作

材料が工場へ運び込まれると、棟梁はすぐに壁パネルの製作に取り掛かりました。
工場の奥の作業台には、必要な道具がきれいに並べられていて、
段取りの良さと、長年の経験からくる落ち着いた空気が漂っています。

棟梁は黙々と木材を測り、位置を確かめながら組み合わせ、エア釘打ち機で一つひとつ丁寧に固定していきます。
無駄な動きがほとんどなく、あらかじめ工場で加工された材料(プレカット材)を使うことで、
より精度の高い下準備ができているのだと感じました。

ラジカセとカセットテープに囲まれた、棟梁の仕事時間

作業が進むにつれて、工場の中にふと音楽が流れ始めました。
どこか懐かしいような、でも私にはあまり聞き覚えのないメロディー。
音の出どころを探すと、棟梁お気に入りのラジカセが作業台の端に置かれていて、
そこからカセットテープの音が流れていました。

[年季の入ったラジカセ]

最近は現場でもスマホやスピーカーが多いですが、棟梁にとってはこのラジカセが長年の相棒のようです。
音楽が流れ始めると、壁パネルづくりの手つきが少し軽やかになるように見えて、
「好きな音楽に囲まれて仕事をする心地よさ」は、世代が違っても変わらないんだなと感じました。

[余った端材で造ったそうです]

さらに印象的だったのが、お手製の杉材でつくられたカセットテープ入れ。
小さな本棚のようなその箱には、棟梁が集めてきたカセットテープがぎっしりと並んでいます。
木目のやわらかさと手作りならではの温かみがあって、ここにも「大工さんらしいものづくりの視点」が表れているようでした。

[照れくさそうな棟梁]

家づくりの裏側としての「工場の時間」

壁パネルの枠が一つ、また一つと形になっていくにつれて、工場の中に少しずつ「家の輪郭」が生まれていくようでした。

現場とはまた違う、静かで張りつめた空気。
無駄のない動きと、黙々と続く手仕事。
家づくりの裏側には、こうした丁寧な工程が積み重なっているのだと、あらためて感じます。

[組み立てられていく材料]

今日は、劇的な変化がある一日ではなかったかもしれません。
けれど材料が届き、棟梁が工場で手を動かし始めたことで、
これからの家づくりに向けた大切な準備が、確かに一歩進みました。

壁パネルが形になっていく過程も、また折を見てお伝えできればと思います。

by MIYAKE

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