NEWその③…歴史と技術

2025年12月3日

歴史に研がれた技の数々。

伝統技術を受け継ぐ

伝統的構法「軸組構法」。
その伝統の技を棟梁が職人に伝え、心と技を磨いた職人は、やがて棟梁となり、また職人に伝えていく。
昔から、当たり前のように繰り返されてきました。

【伝統的な木造住宅の仕組み】

《軸組構法》
垂直材である柱と水平材(横架材)である梁・桁などで構成された加構をつくる構法です。太い柱や梁が室内に現れてくる真壁造りで、柱と柱の間には通し貫を入れて頑丈な壁をつくっていきます。

《接合技術》
木材は一定の長さに製材されます。したがって、大きな家をつくるにはどうしても木と木をつなぐ必要性が出ていきます。伝統的木造技術には、強度においても意匠的にも優れた接合技術の「継手」・「仕口」が数多くあります。

●継手…同じ方向に部材をつなぐ方法
●仕口…直角に交わる部材をつなぐ方法

※一般的に「在来構法」と呼ばれる構法も同じ構法ですが、新建材が登場するとともに生まれた比較的新しい構法で、柱や梁がほとんど壁の中に隠れる大壁造です。主に筋違いを入れて耐力壁をつくります。

高尚な伝統美を現代の住まいに。

今に息づく職人の技

風格のあるたたずまいは伝統的な意匠と高度な技から生まれます。高い腕をもつ職人なら神社仏閣などに施される天井の意匠を、そのまま一般住宅にも再現できます。

【折り上げ格天井】
昔から重要な意味を持つ天井は、高い腕を持つ職人によってさまざまな意匠や機能が工夫され今に再現されています。
※仏壇や神棚の上の部分は折り上げ格天井になっています。これは僧の修法によって、世の中のわずらわしいことやけがれ、また魔物が入れないように護られた高貴な場所「結界」を形作る一例だそうです。

【吹き抜け天井】
開放的な高い天井、太い梁、まっすぐ伸びる大黒柱などその見事な木組み空間の美しさは古くから伝わる伝統の職人技と現代の最先端技術から生みだされています。

不変の安息。木と暮らす家。

心が求める原風景

新建材の登場により木造住宅の技を受け継ぐ職人も少なくなりました。しかし、「本物を残そう」と志を同じくする職人たちが力を合わせ、昔ながらの住まいの再現に取り組んでいます。

【古民家調の家】
自然とともに生きてきた“日本の原風景”がそこにあります。時の流れを感じながら癒される贅沢。伝統建築を継承し、最先端の建築技術を融合した古民家調の空間は、心の奥に眠る郷愁を呼び覚まします。

※何年もの時を経た古民家を思わせる黒塗りの内装。
※黒塗りの塗料は、木製品保護用塗料「ウッドライフ」を使用。

強・美・技を活かす、木の家。

天然木だけの魅力

ぬくもりを感じる色合い、自然から授かった天然木の美しい木目。自然に包まれて、守られて、伸びやかに五感で感じる家は、住む人の心と体を癒やし、穏かに暮らすことができるのです。


木肌の美しさや木の香りが安らぎの空間を演出しています。
(杉の丸柱、赤松の内装、桐の床板)

シーズン3はここまで!

 ≪ back number ≫
シーズン1[一本木な話]
■その①はコチラ→木の家がなぜ良いか。
■その②はコチラ→偽ブランド注意報、発令。
■その③はコチラ→異文化と日本
シーズン2[木の利く話]
■その①はコチラ→新築病・シックハウス症候群
■その②はコチラ→結露と乾燥
■その③はコチラ→心も健康
シーズン3「木遣いの話」
■その①はコチラ→職人
■その②はコチラ→木の種類
 次回、シーズン4[温故木新]その①…「総括1」です!

 

このページの先頭へ戻る