会長の「ちょいと聞いてよ!vol.23」~高性能住宅と床暖房~

2020年10月13日

「断熱性能が良くなると床暖房はいらない」という人もいますが、温めた空気を循環して暖房した場合、床表面温度は天井付近の温度よりも低くなります。

これは断熱性能のレベルにより大きく差がでますが、「足元も寒くはないが、頭のほうが暖かい」という感じになります。

では高性能住宅に床暖房をつけるとどうなるのでしょうか。熱が逃げにくい家なので僅かの熱を加えるだけで暖かくなるのは、どんな暖房方式を採用してもいえることですが、床暖房にした場合の最大の特徴は床表面温度が一番高いことです。床表面温度が25℃だとふくらはぎの高さで23℃くらい。断熱性能をZEHクラスにしておけば吹抜けがあっても2階まで同じ室温です。天井が22℃くらいになるでしょう。

高性能住宅にすると僅かの熱を加え続けることで、この快適な室内環境が実現します。しかもこの熱源を真冬の太陽の熱で補えるのです。ハイブリッドソーラーハウスは昼間の太陽の熱を蓄え、夜間から翌朝まで少しづつ放熱していくシステムを備えています。さらに余った熱で貯水タンクにお湯をつくります。

空気を温める暖房床全体を温める床暖房とでは、そもそもまったく違うもので、別のジャンルの物なのだと思います。

《back number》
■vol.1:エコロジーとエコノミー
■vol.2:ソレイユのような温かい家にしよう
■vol.3:床暖房リフォームは大変?
■vol.4:床暖房に無垢床材は大丈夫なのか?
■vol.5:高性能住宅に、なぜ補助金?その1
■vol.6:高性能住宅に、なぜ補助金?その2
■vol.7:高性能住宅は高くない
■vol.8:断熱性能はどこまで上げればいいのでしょうか?
■vol.9:システムキッチンと台所の断熱改修・ハウマッチ?
■vol.10:夏の住み心地を検証してみましょう
■vol.11:住まいの快適さをデータで実証
■vol.12:断熱性能を表すQ値とUA値
■vol.13:国が大きな補助金を出してまで断熱にこだわる訳
■vol.14:太陽熱で全館暖房という選択
■vol.15:快適な家を安く手に入れたい
■vol.16:住みながらの断熱リフォーム
■vol.17:命をつなぐサバイバル住居とは
■vol.18:ハイブリッドソーラー蓄熱の不思議
■vol.19:段差をバリアフリー にする床断熱リフォーム
■vol.20:命をつなぐサバイバル住居 その2
■vol.21:命をつなぐサバイバル住居 その3
■vol.22:太陽高度がグングン下がる

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